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ジッチャンの名にかけて。
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2-11 「モアイの呪い」

イースター島( チリ)
 

多くの旅人が憧れるミステリースポット、
イースター島へ、わしもついに上陸した。


実はイースター島はチリ領
その割にチリ本土からはえらい遠く、飛行機で往復630ドルもしやがったが、
南米に来たのも 「ナスカの地上絵」 と、この 「モアイ」 が見たいから。

      

小学生の時、 「ゼビウス」 や 「グラディウス」 にハマって以来の夢。
今まさにその両方が叶って、わしのテンションは

愛〜ほほほほーい〜 を超える高さでピークを迎えていた。



このほとばしる情熱をどうしていいかわからず、
とりあえずサンチアゴの韓国食材屋で購入したそば
モアイに「あ〜ん」して気を鎮めた。
一緒の宿だった日本人は、
モアイの前でなぜか 日本刀を ブン回している。



憧れを目の前にすると、人間というのは予想外の行動に出るらしい。

基本、1日1枚 ぐらいしか写真を撮らないわしが、

ここでは 林家ペー&パー子 の如くシャッターを切りまくった。

自分が写る
ってこともあまりしない方だが、
もう記念記念で、修学旅行のようなハシャギっぷりだった。



ところで、
あまり知られていないことだが、
イースター島のモアイは、基本的に 全部倒れている



かつて 「モアイ倒し戦争」 という、運動会みたいな名前の戦いがあり、
その部族間の争いにより、立っているものは全て倒されたのだ。
観光用に修復して起こされたもの(↑)もあるが、
その何倍もの倒れたモアイが、島じゅうにゴロゴロ転がっている。







倒れてりゃただの岩にしか見えないので、近くには 誰も来ない



それが最高で島を独り占め気分になって更にテンションの上がったわしは、

こんな 桃白白(タオパイパイ)風の写真 まで撮って、

貴重な世界遺産を思うさま 蹂躙(じゅうりん) していた。







モアイへのタッチは21世紀に入って取り締まりが大変厳しくなり、
時々逮捕者まで出るそうだが、当時(1999年)は見張りもおらず、
島に何百とある 「倒れモアイ」 に至っては、

打ち捨てられて ゴミのような 放置ぶりだった。

だから、確か上に乗っかることも、法律的にはセーフ…だったハズ。

多分


















だが、
























あんた呪われるわよ。














































全盛期の華原朋美ぐらい調子に乗ってチャンプチャンプしていたわしに、
遠くで見ていた土産売りのおばちゃんは、そう言った。





































あの放置ぶりからすると島民だってモアイを大切にしている感じではないのだが、
ある種、「恐れ」 のような感情は持っているらしい。



日本で言えばお地蔵さんみたいなもんだろうか。
それに 「乗っかる」 なんてのは 「恐れ多い事」で、

ましてや マッスル・インフェルノ みたいに踏みつけるなど、

必ずや天罰が下るレベルの暴挙なのだ。



地元の人に咎められるとさすがにちょっと悪い気がしたので、
とりあえずオバちゃんには謝り、その場を後にした。




でも、過ぎたことは仕方がない。

「もうやらない」って言っとけば

神は許してくれる。


と、神の村で教わったし、問題なかろう。



















































しかし、

































神が許しても、





























法律が許しても、






























ポワトリンまでもが許しても…































モアイは

許してはくれなかったのです。




































※ 再警告!!

こっからは100%ウンコが主人公です。
イヤな人は退場してください。


































その夜。





トイレに行くと、ウンコが やけにスムースに 出てきた。

下痢とか、そういうのではなく、
本体はカタいのに、
まるでローションでコーティングでもされているかのように、

ヌルっと 出てきたのだ。




今まで生きてきて一度もない感触だったので
血でも付いてるのか?」
と思ったが、そうではなかった。




便器にはラーメンスープのように、粒々の脂分が浮かんでいた。
分解されていない脂、

それも、なぜか 魚のニオイがする謎の液体 だ。



































・・・なにこれ。
































イースター島はマグロがうまいそうだが、

わし そんなもん食った覚えはない よ。




島に来てからは自炊パスタばかりで、
魚的なものはダシでさえ口にしていないのに、
なぜかツナ缶の汁みたいなものが、ケツから漏れてきたらしい。



















一回目は 「?」 と思いながらも気にせず流したのだが、
翌日、朝も昼も、続けて魚汁は染み出てきた。
ウンコが出ず、汁だけ出てくることもある。






わしは基本的に海外ではいつもユルいので、

下痢に関してはそれなりに 場数を踏んでいる が、

こんなことは初めてだ。




不気味なことに、

汁以外は体のどこもおかしくなっていない
ハラが痛かったり、熱があったり、ダルかったり、食欲がなかったり、

そういう症状は一切なく、ただただ健康なのに、汁が出る。
































あんた呪われるわよ。






























まさか…と思ったが、

思い当たるフシが他にない。



マラリアとも、カキに当たったときとも違う。
こんな症状、病気だとしたら初めてすぎる。



























最初のうちはただの 風変わりな下痢 扱いして

「その都度トイレに行けばいいか」 ぐらいに考えていたが、
呪いはそんな甘いものではなかった。





便意みたいに 「来るっ!!」 という前触れもなく、

は 意思とは無関係に 突然染み出して来る。

歩いているだけで予告なしに 勝手に漏れてくる のだ。





数時間来ないこともあれば、1分と経たないうちに第2撃が来ることもある。
「いつ」 来るのか、そのタイミングすら測れず、

気付いた時には漏れている。






ガマンしようとか、トイレに行こうとか、

そういう 理性の部分を超越した 怪現象ッ!!





よくわからんけど、女の子の生理ってこんな感じかしら。
だとすれば、
オムツや ナプキンを あてる以外に対策はないのかしら。




多い日も安心なのか!?

いや、

そもそもコレ多いの!? 少ないの!?






買ったからって 余っても困る し、

空港で荷物検査があったら説明が面倒だし・・・























体調は悪くない。
痛いとか、苦しいとか、そんなんじゃないので別にいいといえばいい
しかし、精神的には最低の底を更に踏み抜いて、落ちるところまで落ちた。



大学まで出て 漏らすという時点で相当恥ずかしい状況なのに、

この場合漏れてるのが ウンコですらない のだ。



体調不良なら漏らした言い訳にもなるが、
そこ以外は五体満足というのが、逆にゲンナリ感を盛り上げる。

























いきなり話は戻るが、
倒れたモアイには共通点があって、
みんなご丁寧にうつぶせに倒されている



というのも、
モアイには元々が付いていて
そして、そのからは何か
霊力のようなものが出ていると、そう思われていた。
それを恐れてのことらしいが…




これか・・・?
これがかつて島民が恐れたという 霊力 なのかっ!??





モアイに睨まれたが最後、
一生この魚市場の帰りみたいなフレグランスなのかっ!?



















しばらく様子を見たが、
何日経っても状況は同じ。
食事を抜いても状況は同じ。





その後も症状は改善することなく、

おはようからおやすみまで、

イヤ眠った後さえも、時間をおいて不意に汁は漏れ続けた




ゲームなら呪いは教会にいくらか寄付すると治るはずだが、
現実世界でこれを解く方法は、ついに見つからなかった。










治る見込みがないと思えば、漢(おとこ)としては

それと 上手に付き合う方法 を考えざるを得ない。

だんだん慣れてくると 漏れて当たり前 になってきて、

最終的にはケツにティッシュを挟み込んで普通に観光していた。



もうもともと自分はそういう生き物だったと思うことにして、
履歴書の特技の欄に書く準備は着々と進んでいた。



永遠に続くかとも思われた謎の魚汁
1週間後、飛行機でサンチアゴに戻ると、
それはウソのように 「ピタっ」 と止まった。




同じ日の朝、
この(↑)写真を撮影した時点では感動と共に 漏れていた のに、

南米本土に戻った途端に、それが止んだのだ。






























疑惑が確信に変わる。




























油断できないのでしばらくはKT(ケツティシュ)で旅をしていたのだが、
不思議なくらい完璧に治まり、

二度とパンツから ナムプラー臭 が漂うことはなかった。



逆に懐かしくて1回くらい出ろよと思ったが、
その後はどれだけ魚を食っても、期待するようなものは出てこなかった。























わしは基本、オカルト的なものは信じていない。



UFOを 4度も 見たことがあるが、

霊感とかは全くない自信がある。





正確には
「あるかも知れないけど、自分には見えないYO」
というスタンスで、そのテの世界を捉えている。
20歳まで見なければ一生見えないというし、わしもきっと、そうなのだろう。







だが…





































「モアイの呪い」 だけは、絶対にある。








































世界中の誰が否定しようとも、

実際あったんだからしょうがない(漏)。




































まあ、
呪われても ケツから変な汁が出る 程度で済むので

捉えようによっては大した被害じゃないのだが…



































地球上には、科学では決して説明のつかない現象が、たしかに存在するのだ。








































以来わしは
イースター島に行く、という旅行者には必ず伝えるようにしている。



「倒れてるモアイには絶対に乗るな」 




と。






そう言われると

逆に乗りたくなる と思って、あえて言うのだが・・・

同じ目に遭ったという話は、聞かない。



そういう根性だから呪われるような気が、しないでもない。
今もモアイの写真を見ると、ケツ頭(がしら)に熱いものがこみ上げてくる。


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