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マスゲームとは、大人数による体操・演技のこと。
運動会などでやった「組体操」も、その一種である。
組体操も北朝鮮にかかればハンパなく巨大になり、この「アリラン祭」は
上演時間 80分、出演人数は 10万人を超える空前絶後のスケール。
まさに世界最大のマスゲームである。
2008年、北京オリンピックの開会式を見た人ならわかると思うが、
アレをやや劣化させたものだと思えばわかりやすい。
ん? 劣化?? だめじゃん。
でも、北のコレは毎日やっている。そこが恐ろしいのだ。
正確に言うと 例年8・9月の、日曜以外の毎日上演。
かの金正日将軍様が、
「見ないと一生後悔するニダ」 と豪語したほどの自信作であり、
この時期だけは、敵性国民アメリカ人にも入国・見学が許可されるという。
つうか、外貨稼ぎたいだけかよ!!
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▲ 拡大図。スタンドには地元の中学生が隙間なく並び、背景を担当。
太鼓の音や、観客席サイドから送られる信号を合図に、それぞれスケッチブックをめくる。
▲ そして主席様ドン!! 他にも子供の目をパチクリさせたり、
アニメーションをも実現。・・・スクリーンでやりゃあいいじゃん。 |
スタンドを埋め尽くす背景係は、1万8000人いるとか。
てことはスタジアムの逆サイドにいる観客はMAXでせいぜい2万人。
客より出演者の方が数が多いのだから、当然、給料ナシのはずである。
そして、練習には本番の何倍もの時間を費やす・・・と考えると、
学校、軍隊、あるいは宗教団体のように、
よほどの強制力とヒマな時間がなければ、実現不可能なイベント
だというのはお分かりだろうか?
つまり、「他の国では決してマネできない」という北朝鮮側の謳い文句は本当で、
日本なら絶対誰もやらん。ガチでタダ働きする人間が10万人以上もいるとは思えん。
1日ならともかく、2ヶ月毎晩ですよ。 他に練習もあるし。
キョーフによる統治ってえのは、すごいものナリね。
偉大なる将軍様は、
誇りある朝鮮民族の団結力をこれで世界にアピールしようと企んでいる・・・。
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▲ どれだけ私生活を犠牲にしたのか、年端も行かぬ子供が恐ろしくキレのある動きをする。
そのかわり足し算ができなかったりとかするんだろうな・・・
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まあ出演者の方々には同情するが、演技そのものはすばらしいの一言。
演出も凝っていて、
普段いろんなもん見てる「資本主義の俗物(わしら)」でも充分楽しいと感じる。
80分もあっという間だ。
払ったカネがテポドンの開発費に回されてるんだろうなーとか思うと心が痛むが、
国情からしていつまで見れるかわからないこのイベント、
今が行き時なんじゃないかと思ったりする。
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2002年に金日成生誕90周年を記念して開始。
以来、ほぼ毎年8〜9月あたりに公演が行われる。 4〜5月に行う年も。
この時期に北朝鮮ツアーに参加すれば見学可能。
20時ちょうどから公演開始だが、19時過ぎから行って練習風景を見るのがオススメ。
入場料は
特等 300ユーロ
1等 200ユーロ
2等 100ユーロ
3等 80ユーロ
だが、席による違いはほとんどない
と思われる。
※ 3等席から撮影。
おネエさんたちのすぐ後ろが2等
写真中央の緑のテーブルが1等
左上の囲まれたエリアが特等。
この程度の差で値段が何倍も上がるのはヒドイ。
確かに1等、特等は真ん中にあるが、1等なんか全景を写真に撮れないんじゃないか?
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